不動産の「評価」と不動産の「価格」は異なります。不動産の評価は一定の算式や基準が示されていますが、不動産の価格は買主と売主の「合意」で決定されます。その決定内容を書面化したものが不動産売買契約書であり、その不動産について詳しく説明したものが重要事項説明書ということになるでしょう。一般的に買主は「より安く」、売主は「より高く」売買をしたいものですよね。双方により有利な取引を行いたいという心理がはたらきます。この双方の意向を「不動産の評価」や「取引事例」などを用いて、原理原則に基づいて公平公正に調整をすることが後々のトラブル防止にもつながり、一般的には不動産取引業者の調整業務の一部といえると思います。一方で「早期に売却したい」などの時間的条件、「地域の方と仲良くできるような人物に売却したい」などの条件を提示される売主もいらっしゃいます。その際には一般的に取引される需給バランスの他に条件が加わるわけですから、「通常より安く」購入できるケースもあります。もちろんその逆のケースもあり得ますが、通常より安く取引できる場合でも、売主の満足度は決して通常の取引の場合と比較して低いわけではありません。そのようなイレギュラーな要素も勘案し、金銭面だけでなく売主買主双方の満足度が高まるような取引を心がけています。